基地がなくなると沖縄は経済的に
困るという神話。
沖縄の問題にしても、日本の司法はだれの味方なのかって思ってしまいます。
やはり、沖縄の最近の動きなんかを見ると、
県民の圧倒的支持を受けている翁長知事の意向は無視して、
建設に入った事とかですね……。
この『うりずんの雨』のブックレットの中で、
沖縄国際大学の前泊教授が仰っていましたが、基地の持ってる経済的な意味とか、
我々が知らない現実がありますね。沖縄の経済に占める
米軍基地の経済比率は5%程度に
下がっているんですね。
いつも繰り返して言うんですけど、
沖縄は基地の負担が重いけど、その分経済的に
得してるからしょうがないと……。しかしそうではないんです。やはり目で見えてこない所があるんです。
フェンス越しに見えるのが精々100メートル程。
実はその先に何キロも広大な基地は
つづいているんです。
しかも、島のいちばん平坦な土地をつかって
基地を作っているんですね。
一番良いところを?
戦争で破壊されて混乱しているなかで、島民の知らぬ間に土地や農地に
基地が建設されていたということなんです。
本来は、地位協定で必要なくなった土地は、すぐに返還する義務があるんですね。
今、北の演習場の半分ぐらいは返還しつつありますけれど。

場所は激戦地となった沖縄本島南部糸満市。「沖縄 うりずんの雨」より ©2015 SIGLO
ああ、返還した代わりにヘリパットを作るからっていうことでしょうかね。
沖縄に基地を置く軍事的理由はすでにないんですね。
ミサイルや核兵器の開発によって、軍事的戦略が変わってきていると……
そうなんですね。
ベトナム戦争の時から40年間使ってない土地もヘリパットの
建設ではなく返還されれば……。
前泊教授が言うように、返還後の跡地を利用できれば那覇市の金城地区のように
大きな経済効果を発揮させることが可能なんですね。
返還後の跡地利用で失敗した所は一件もないんですね。
飛行場を軍事基地だけに利用することは経済的にももったいない、
アジアの経済拠点にすれば安全保障にも繋がります。
返してくれないから逆に沖縄の経済が、
なかなか伸びないという事になるんです。

捕虜になった時の話をする稲福マサさん(元梯梧学徒隊
当時17歳)壕から「死んでも出ない」と言ったけど、
「出てこんと殺すぞ」と言われ……。
村は死体がね、敷いているみたいでした。
「沖縄 うりずんの雨」より ©2015 SIGLO
私もこの二年間に二回、沖縄に行くことができました。なかなか行く事が
できなかったのですが、
去年と今年にやっと実現したのですが、
嘉手納の町とかを見るともう圧倒的ですね。
83%ぐらいが基地で17%程度のところに住民が住んいるという町の現実に触れて
本当にショックを受けました。
米軍基地は、本当に日本を守るのか?
空軍基地があって弾薬庫も同じくらいの面積なんです。
何故それが必要なのか……。
それは、アジアでベトナム戦争ような大きな戦争をやるという……
そのために、とっておくと言うような事なんですね。
大きな戦争を想定してる……。

「沖縄 うりずんの雨」より ©2015 SIGLO
米軍基地が日本を守っている……。
よく言うんですけど、映画の中でも海兵隊の女性の発言に驚いたんですけどね。
沖縄を守る日本を守るということは、一切口に出さないんですね。
海兵隊も良く分かってるんです。
日本を守るためにいるのではなく、アメリカの戦略のためにいるということなんです。
そこで演習してる。
そういう演習というのはアメリカ本土でやっても同じなんですよね。
沖縄でやる必要は全然無い。
でもイラクやアフガンに沖縄から海兵隊が行ってるんです。
実はアメリカ本土から行っても同じくらいの距離なんですね。
だから、沖縄から行く必要は全然無いということなんです。

去年も嘉手納と普天間、
もちろん辺野古も行きました。
今年はですね、オスプレイが墜落した場所にも
ちょっと行ってきました。
不時着という話しなんですけども、
明らかにそういう場所ではなかったですね。
それと、旧日本軍の陸軍病院にも
行くことが出来ました。病院で手術といっても、
命を最低限守れるかどうかっていう洞窟でしたけれど………。
そういう所をいつでも見学できるようにして
いただくというのは、
とても意味があることかなと感じました。

そうですね。
そういう所も、自分で意識して行かないと、
なかなか行くことが出来ませんし、こういう機会を得て、
沖縄の一面を知るということも出来ました。
やっぱりそういうところで、また、沖縄から日本ということを考えるし、
日本の憲法を考えたり日米安保を考えたりという、
きっかけになりますね。