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堤未果×宮崎康
今回のゲスト聞き手
ドキュメンタリー界の巨匠が語る、映画沖縄うりずんの雨が描く、米軍基地と沖縄の真実ジャン・ユンカーマン監督 ジャーナリスト・映画監督露木靜夫 みさと健和病院院長

 

 

 

どうしてこんなに日本という国が好きなのか。その問いに
「戦争をしないことを憲法に定め、世界に模範を示す国だからだ」と
ジャン・ユンカーマン監督は語っている。

————2015 朝日新聞 “人生の贈り物”より

       A17-0557

◆ジャン・ユンカーマン
——John Junkerman

1952年、米国ミルウォーキー生まれ。
画家の丸木位里・俊を取材した『劫火-ヒロシマからの旅-』(1988年)は米国アカデミー賞記録映画部門ノミネート。9.11のテロ後にノーム・チョムスキーにインタヴューした『チョムスキー9.11』(2002年)は世界十数カ国語に翻訳され、各国で劇場公開された。
他に、与那国のカジキ捕りの老漁師を描いた『老人と海』(1990年)、エミー賞受賞作「夢窓~庭との語らい」(1992年)など。
現在も日米両国を拠点に活動を続ける。



◆露木靜夫(つゆき・しずお)
医師。1980年群馬大学医学部卒。同年柳原病院に研修医として入職。1983年みさと健和病院へ転任。千葉救急医療センター、国立がんセンターで臨床研修、2000年みさと健和病院副院長に就任。その後、柳原病院、柳原リハビリテーション病院の院長を歴任、2016年みさと健和病院院長就任。6月より法人理事長も兼任。「臨床医の注射と処方 第8版 /医歯薬出版2011.6.」「医師・薬剤師のための薬の使い方と説明 第3版/医歯薬出版2009.07」等を共著出版。趣味の映画・音楽・読書を通じて、社会背景やその問題に思いをはせる一方、学生時代に汗を流したラグビーは、今も様々な大会を観客席よりサポートする。

——今回、健和会グループの実行委員会でジャン・ユンカーマン監督の
ドキュメンタリー映画「沖縄 うりずんの雨」を上映したご縁で
当法人健和会みさと健和病院・露木靜夫院長との対談が実現しました

露木

『うりずんの雨』を岩波ホールで観る機会がありました、
多分、上映期間の最終週だったと思いますが、
キャスターのピーター・バラカンさんと対談をされましたね?
ちょうどその日だったんですよ
映画も素晴らしかった、同時に対談も聞く事ができ非常に幸運でした。
その後、製作に当法人のドクターが製作にかかわっていたり、
そんな繋がりもあって、私たちの病院の近くの講堂で
上映が実現しました。

ユンカーマン

その節は本当にお世話になりました。よく応援していただきまして。

露木

監督はウィスコンシンの出身だとお聞きしました。

ユンカーマン

はい、そうです。

露木

私、学生の時に一度ミルウォーキー行ったことあります。
学生時代の最後に大学の医学部を見学に。
1979年にアメリカを縦断旅行したんです。そこに大学のシニアの先輩が、
リサーチに行っていて、知るにはちょうど良いかな
と言うことで立ち寄りました。

ユンカーマン

メディカル・カレッジ・オヴ・ウィスコンシンですか?
僕の父がそこの医学部長だったんですよ。
朝鮮戦争の頃、父は徴兵されて横須賀に一年間、海軍の病院に勤めてたんです。
その後、長い間ミルウォーキーで内科医だったんですけど、それをやりながら、
父は当時マーケット大学に付属していた、メディカル・カレッジの
医学部の学生の指導をやっていました。

露木

なにかご縁のようなものをを感じますね……。
医療の話になりましたが、世界の医療と日本の医療、
特にアメリカの「オバマケア」などについて、どんなふうに感じてらっしゃるのかなと、
まずお聞きしたいなと思いました。

ユンカーマン

今、トランプ政権になって「オバマケア」が攻撃され始めていますね。
やはり、アメリカには、国民保険がなかったいということが、
ちょっと情けない感じもするんです。そういう意味で、日本を尊敬しています。
市民に対しての社会的責任感がある。
実際、「オバマケア」になって少しは良くなったのに、
共和党がそれを批判し続けながら、結局はそれに代るものを考えてこなかった
ということが許しがたい。
よくアメリカの医療は優れていると言われますが、実際にはそうでもないんですね。
同じようにアメリカは世界のリーダーと思っていますが、
実際にはそうでもないという……アメリカは特権的な存在だという意識が、
まだ強いということなんです。

露木

◆エイヴラム・ノーム・チョムスキー Avram Noam Chomsky
言語界の世界で革命をもたらし高い評価を受ける。ロックバンドU2のボーカル、ボノが「飽くなき反抗者」と呼ぶ反骨の知識人。ベトナム戦争以来アメリカの外交政策を批判する活動を続けている。9.11以降、事実に基づいた鋭い批評はアメリカ内外で高い注目を集めている。「チョムスキー9.11」より
(C)2015 SIGLO

世界の比較という事でいえば
2002年の作品『チョムスキー9.11』の
なかで、アメリカの著名な言語学者の
ノーム・チョムスキー教授の語っている
世界を見る視点というのが、
凄いですね。

ユンカーマン

そうですね。

露木

世界の見方という意味では、日本はアメリカ追従というのが
どうしてもあるけれど、違う見方をしてみろと……。
アメリカの視点ではなく、中南米やトルコ、中東からの、
世界中からの視点で見てみなさいと……
自分たちと相反する視点から見てみなさいと。

ユンカーマン

そういう意味では、アメリカは島国ですよ。
孤立していて内側からしか見てないですよね。結果として医療制度にお金は掛けないで、
逆に軍事費に使おうということなんです。
だからトランプは、本当に困ったものです。

ユンカーマン

チョムスキーが、今一番懸念している事は二つです。
ひとつは地球温暖化問題。もう一つは核兵器のことです。
その二つとも人類の未来がかかっている大切な問題なのに
全然それがちゃんと取り上げてこないし、
この前の選挙の中で取り上げている政治家もほとんどいなかった……。
オバマ政権で取り上げていた深刻な問題が、
トランプ政権になってからは、
全部潰されようとしてるんです。

露木

温暖化問題など、ほとんど存在しないって言ってますね……。
だから、トランプ政権のほころびも、すでに出始めていると思います。
それに、州の司法長官がああいうトランプ大統領がやっている、移民入国規制に対して
憲法違反だっていうことをハッキリと突きつけられるっていうのは、やっぱり
日本と違った伝統と厚みがあるのかなって
いう気もしますね。

ユンカーマン

アメリカは司法制度というものがしっかりしてるところはあるんです。
憲法が大事なんです。
憲法を守らないと、やっぱり裁判で負けてしまう
という事でもあるんですね。

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