“抗する”こと“希望”ということ

露木
DVD
「チョムスキー9.11」
©︎2002 SIGLO
同時多発テロは何故起きたのか?!
知の巨人チョムスキーから
日本人へのメッセージ。

『チョムスキー9.11』を観てあらためて感じたのですが、
気候温暖化や核兵器の問題ついての
危機ということに関しても、
集会が盛んに行われる時代になってきたことは、
昔より良くなってるという発言が出てきます。
昔はこんな集会も開けなかったとか。
そういう見方もまたすごいなと……。
日本でも確かにいわゆる70年代前後、
世界中で吹き荒れた学生運動のことを考えると、
ずっと、そういう運動は沈滞してるかに見えるけども、
やっぱり、この5年で考えれば、新しい運動は始まってます。
市民運動や、ママの会とか、学生の会とか、
そういうことを考えると、『チョムスキー9.11』での発言も
間違いじゃないのかなとも……。

ユンカーマン

トランプが大統領になったばかりで、
世の中良くなったというのがとても言いづらいところはありますけど、
就任式の次の日に就任式に集まった人より
圧倒的に多い膨大なデモがあったんですよね。
そういうことを見ると、やっぱり、良くなってるんじゃないかな
という気もしますよね。
ベトナム戦争の時で市民が立ち上がるのに時間がかかりました。
反戦運動には参加していたんですけど、
それが、戦争が始まって4、5年位経ってからだったんですよね。
当時はすぐにはできなかったんです。
今は立ち上がる基盤というのがあるんじゃないかなという気がしますね。
今そういうデモだけじゃなくて、色々な問題、移民問題もそうなんですけど、
それに対しての反発ということがとても明確になってる。
みんながとても強い立場で、それに反対してるということなんです。
この間アメリカに行ってきたんですけど、オバマの時代には希望の運動が、
今は抵抗の運動に成り代わったんです。
しかも、どっちかといえば抵抗の運動の方が
目的がはっきりしている分鋭いし、効果的である。
希望というのが“モヤモヤしてる……
というのもあるんだけれども……。

露木

素晴らしいですね、確かにそうかもしれません。
希望の方が良いように思いますけど、
抵抗も捨てたもんじゃないと。

ユンカーマン

ですよね。
まあ抵抗の中にはもちろん希望も含まれているということなんですけどね。
希望が無ければ抵抗は出来ないですから。

憲法を暮らしのなかに生かしてこそ。

ユンカーマン

今、世界中、EUの流れとか、トランプ政権と安倍政権とか、
フィリピンの情勢とか、シリアの問題とか、
今の世の中はとても厳しい状況だと思うんですよね。
だから、希望をもつのも大切だけど、まずは物事をはっきり考える、
見極める必要が出てくるということなんですね。

露木

いずれにしても、世界中をいろいろ見ていくいろんなきっかけを
『チョムスキー9.11』『映画 日本国憲法』『沖縄 うりずんの雨』という作品で
学んでいくことが必要だと感じました。
私たちの病院で“病院憲章”という病院としての憲法を2000年に作りました。
もう17年前なりますが……。その時に、一番最後の文章は、
「これからも日本国憲法を学び、病院憲章の内容を、より豊かにし、
発展させていきます。」という文章を入れたんですね。

ユンカーマン

まー、やはり、そういう憲法というものが、
ただの法律とかそういうことではなくて、
皆の生活の中で生きてるものだということなんですね。
僕があの映画を作ったときには、
初めてそういうことを認識したのかな。

露木

そうですよね。憲法を守るだけではダメ、
しっかり生かしていかなきゃいけない。
武器として使うみたいな、
そういう部分が必要だというふうに思います。

ユンカーマン

はい。やはり、9条で言えば、国際問題を解決する手段として
戦争は放棄しますということなんですが、これは立派な概念ですよね。
戦争終わって、それからの70年間も経っていて、
今でも同じことが理解できるんですよ。
そういうことがちゃんと憲法に書いてある。
すごい立派なものだと思うんですよね。

露木

そこまで考えられる政治家がいるかどうか。
或いは私たちが、そういう人たちを選べるかどうか、
そういう話になっていくんでしょうかね。

ユンカーマン

だから、今回の改正案というのが、
国家の権力が中心と考えているわけですけど、
さっきの、その病院の憲章の話にもありましたけど、
憲法というのが、根本的には、市民が中心、市民から国が出来るという
考えが大切だと思います。

露木

そこの本当の理解……。
フランス革命とか、人権宣言とかね、アメリカの憲法の作られ方とか、
そういうところに行き着いて……、そういうのを勉強して、
少しずつ理解出来ていくことなんだと思います。

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